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<女将発>  最愛



長いこって。

先日の兼見御亭でのお座敷のお話。

とてもあたたかいお話。

私のお客様の奥様が亡くなられ、49日の法要が行われました。

私は、ご主人はもちろんの事、奥様も私の大切なお客様でした。

奥様は体を悪くされ、車椅子の生活をおくられておりました。

ご主人は、その奥様といろんな場所へ旅行に行き、いろんなお店に美味しいものを食べに行き、とても大切になさって居りました。もちろん、車椅子をおして・・・。

以前、お二人でお食事におみえになった時、
「こないだ、母ちゃんと北海道に行ってきてん。なぁ、母ちゃん!!楽しかったなぁ。
又、行きてぇなぁ。」とご主人。

「本当やねぇ・・・。お父さんにはいつも良いがにしてもろて、ありがたい事やぁ」と奥様。

そんなお二人を見ながら、本当に幸せやなぁ・・・。と思っていたのがついこの間のような気がします。


先日、そのご主人の法要のご挨拶の中から・・・。

「とうとう一人になってしまいました。
わしには、これといった趣味も無く・・・。毎日、女房の車椅子を押すがと、介護が趣味やった。けれど、それも無くなってしもた・・・。毎日、泣いてばっかり居るけど、
女房が (お父さん、しっかりして!!)と夢に出てくるんや・・・。あっち行くにはまだ早すぎる。してやりたい事もまだまたぁんと(沢山)あったんに・・・。」

と涙を流しながらお話されていらっしゃいました。
私は、袖で控えておりましたが、涙が溢れて止まりませんでした。

ご主人のお人柄があらわれる本当に心のこもったご挨拶でした。


女将   「本当に素敵なご挨拶やったね。奥様、幸せな事や・・・。」

ご主人  「お前にカッコ悪いとこ見せてしもたなぁ・・・」(苦笑)


このお客様のように、一人の女性(奥様)を、愛し続ける事が出来るなんて・・・。
ご本人も幸せですが、奥様はそれ以上に幸せです。

家族を愛し愛されるのは、とてもノーマルな事。

誰かの最愛の人と云われる生き方もいい。 ちょっこし、憧れる。

でも、私はお客様に愛され、ファンの方に愛されて、最愛の町<金沢>の為に
生きていきたい。

そんな生き方もあっていい・・・。最近そう思うんや。

                                 あんやとっ。

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by kaikarou | 2009-11-29 14:10 | 女将発
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